この度、WEBマガジン「赤雷通信」を発刊することになりました。
実は、数年前から発刊の構想はありました。
というのも、ここ数年で国内レースのライブ中継が充実し、従来のテキストでのレースレポートは徐々に淘汰されていくだろうという危機感があったからです。表面的なレースレポートだけではなく、より深く、チームの戦略や選手の心情にまで言及するようなコンテンツを作っていかなければ、テキストの必要性を保てないとも思っていました。
なかなか実行に移すことができずにいたのですが、今回、発刊に踏み切ったのは、やはり新型コロナウイルス感染拡大の影響が大きいです。
間もなく国内レースがスタートしますが、しばらくの間は無観客でライブ中継のみでの開催が決定しています。自分も長いことレース取材をしていますが、この形での開催がいつまで続くか正直言って分りません…。
そうなった時、レース現場に来られないファンの皆さんに、ライブ中継だけでは感じることができない現場の雰囲気や熱、選手の息遣いを感じてもらえるメディアを作る必要性があると感じました。これが、このタイミングで発刊に踏み切った一番の理由です。
そして、別の理由はかなり個人的なものになります。
フリーランスのスポーツライター・フォトグラファーとして10年、出版社時代から数えると20年、自分はこの業界で仕事をして来ました。
現在44歳の自分が、過酷なスポーツ取材の現場でバリバリ仕事ができるのは多く見積もってもあと20年ぐらいでしょう。そう考えると、今がちょうど折り返しのタイミングになります。
折り返し地点を迎え、これからの20年をどう過ごしていくかと考えた時、自分自身がもっともっと成長しなければいけない、と正直に思いました。そのためにも、自分というフィルターを通して撮影したものや話を聞いた選手、自分が感じたこと、考えたことを、自分の判断、取捨選択で形にして世に出すことが必要だと思うに至りました。
その思いが、赤雷通信の発刊につながっています。
今後は、この赤雷通信が自分のライフワークだと自信を持って言えるよう、さらに取材・撮影、原稿執筆を行っていきます。
そして、赤雷通信に辿り着き、ありがたいことに購読してくださる読者の皆さんが新しい記事の発行を待ち望んでくれるようなWEBマガジンにしていきたいと思っていますので、末長くお付き合いいただけますよう、よろしくお願い申し上げます。
令和2年7月7日
編集事務所ハットトリックカンパニー
小森 信道
読者コメント