2018年から宇都宮ブリッツェンに所属する鈴木龍が、引退を発表した。
鈴木龍は、個人的な思い入れがある選手だ。
特にスポーツに力を入れている訳でもない文系総合大学を卒業した自分にとって、どんな競技であっても母校からプロ選手が出ることはそうそうないだろうな…と思っていたし、実際に卒業してから2015年までの15年間、そんなことを気にすることもなかった。
しかし2015年、当時オフィシャルフォトグラファーの一員として関わっていた那須ブラーゼンに鈴木龍が加入したことによって、初めて母校出身のプロ選手を間近で取材する機会を得た。
ずっとサッカーをやって来たという彼のバックボーンもまた自分と共通していて、さらに興味を惹かれた。レース現場で、選手とレース関係者が集まる会食の席で、いろいろな話をしたものだ。
そんな彼から、引退に関するリリースを作成して欲しいという最初のオーダーをもらったのは、確か7月だった。
ファン・サポーター、そしてスポンサーやこれまでの現役生活を支えてくれた関係者に対して、自分の言葉をきちんと伝えたいという気持ちからだと思って、引退してしまうことへの寂しさはありながらも快諾した。
それからは、折につけリリースを出すタイミングや内容について打ち合わせを重ねて来た。スポンサーに向けての中間報告会のタイミングでその発表をするべきかどうかの相談も受けた。
「龍が直接伝えるべきだと思うのであれば、そうした方がいい。ただ、ファン・サポーターに向けても自分からまずは伝えたいから、この話はこの場だけでということも伝えた方が良いかもね」
そして、鈴木龍は自分の信念に従って、スポンサーの前で今季で引退することを直接、自分の言葉で伝えた。この場だけの話にして欲しいという言葉も添えて…。
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